私の好きな現代短歌(253)

手巻煙草はばかりもなく売られおりこの闇市の露地の一角    岩間正男
 配給以外のタバコの販売は禁止されているのに、この闇市の露地の一角では、何のはばかりもなく手巻きタバコが売られている。

 主食の米、麦はもちろん、酒、タバコ、衣料品などは勝手な売買は禁止されていたが、町のあちこちに露天の市場が出来、そこでは公然と、あるいは非公然で何でも売られていて、闇市と呼ばれていた。値段は高く闇値と言われたが、生きていくために必要な物品はそこで手に入れるしかなかった。いま私たちや子や孫が生きているのは、法律を犯して闇の品物を手にしたからだとも言える。
 鳥の腹露店に裂きいる男いて晦日の夜露ひかりそめたる
 闇市よりそらすひとみに雪雲の光りうすうすと夕焼くるなり

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