私の好きな現代短歌(176)

わが生は年老いてかかる哀あり風のふく日はあゆみ進まず  佐藤佐太郎
 長い人生を生きてくると、年老いてこんな哀しみを味わう。風の吹く日は前へ進めない。

 一九八二(昭和五七)年、佐太郎七十三歳。病気ではないが体力が衰え、日課にしていた散歩も出来なくなってきた。病気ではないが寝床を敷きっぱなしで、寝たり起きたりしている。窓から、庭の花や遊びに来る野鳥を眺めて楽しむようになる。
 病む人に非ずといへどさしあたり心よわりて床上に臥す
 杖ひきて日々遊歩道ゆきし人このごろ見ずと何時(いつ)人は言ふ
 暗きよりめざめてをれば空わたる鐘の音(おと)朝の寒気を救ふ
 窓外に来る尾長鳥二つゐて咲ける辛夷(こぶし)の花をついばむ


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