私の好きな現代短歌(175)

検眼をして渋谷より帰り来る煙霧のごとき老境われは   佐藤佐太郎
 目がよく見えなくなって、渋谷へ検眼に行ってきた。視野だけでなく、まるで煙霧のような老境にいる私は。

 歳をとってくると、目の水晶体が弾力を失い、焦点を合わせにくくなる老眼になるだけでなく、ほとんどの人が水晶体に濁りの出来る白内障になる。病気というよりは老化現象である。今は白内障の手術が簡単にできるが、佐太郎の時代には、高齢だからと諦めるしかないことだった。
 眼のうときゆゑに不安のきざすことありて衰老道を日々ゆく
 朝の日に花あきらけき道をゆく老いしわが目をしばし憂へず
 わが視力おとろへしかば両足の爪を切るときその爪見えず


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