私の好きな現代短歌(167)

定陵の音なき地下を出でて来てわが寂しさをいかに遣らはん   佐藤佐太郎
 明の第十四代皇帝、万暦(ばんれき)帝の陵墓「定陵」を見学し、無音の地下を出てきたが、このやりきれない寂しさを、どう紛らわせようか。

十六世紀、明の万暦帝は国の財力も考えず、生前から自らの陵墓建設に銀八百万両をつぎ込み、明滅亡の遠因を作った。その壮大な構造と豪華絢爛たる副葬品を見学した佐太郎は、奢れる者の哀れさ、寂しさをやりきれなく思ったのだろう。
 うちつづく山を連ねていにしへもいまも寂しき長城は見ゆ
 黄のいらか或は光りかげりつつ強き風ふく紫禁城見ゆ
 死に近き床に一生を顧みてつひに悪無しといひ得たる人 (憶蘇東坡)


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