私の好きな現代短歌258

進まねば退ぞくほかないところまでぎりぎりぎっちゃくのそのところまで   岩間正男  情勢は逼迫し、一歩踏み出さなければ退歩するギリギリの所まで来ている。  教員組合の代表として参議院議員になり、教育・文化政策を中心に活動を続けてきたが、政治全般の問題が危機に瀕し、議員個人の活動ではどうにもならないことに気づいた。議員活動を通じて、共産党の政策が自分と一番一致することを実感し、誘われて入党を決意する。まだ「アカ」「国賊」の偏見が強い一九四九(昭和二四)年二月だった。  たかぶりもためらいもなしと言わば言い過ぎんこの夜入党宣言をひとり書きつつ  入党をかつて戒めこし母の手紙かかるよろこびを知りたまわねば  蚊帳の闇に煙草ひからせいる夜半の思いに沁みて鳴く虫もなし

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