私の好きな現代短歌(254)

大衆収奪予算というその性格をつきつめにつつ短しこの夜は  岩間正男
 大衆を収奪する予算というその性格を追究していると夜は短く、もう夜が明けてきた。

 一九四三(昭和二三)年。インフレで物価は高騰する。政府は臨時国会に予算案を提出するが、生活の苦しい国民に重い税金がかかってくる。正男はその予算案の問題点を究明するために、停電の夜蝋燭をつけて徹夜をする。当時、停電が多かった。
 蝋涙は垂りやまずして停電の夜半を書きつぐ思いのひとすじ
 息つめて物書くひまも蝋の香は流れつつやまず夜半の机に
 蝋の灯を吹き消したれば蚊帳ぬちに匂い流れぬいまは眠らむ
 団扇白くおかれし畳が蚊帳越しに暁(あけ)のひかりにうかびて見ゆる

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