私の好きな現代短歌(192)

よもすがら月あきらけき夜なりしがしづかに明けて朝を迎ふる   佐藤佐太郎
 一晩中月の明るい夜だったが、静かに夜が明けて、朝を迎えた。

 一九八六(昭和六十一)年、いよいよ体力の衰えた佐太郎は、七月はほとんど寝たまま過ごし、九月の歌会が最後の出席となった。十二月に「佐藤佐太郎自選歌抄」(角川書店)を刊行。二十二日、千葉の恵天堂に入院。言語による意思疎通が困難となった。
 満天星(どうだん)のもみぢうつくしき年の暮老人なれば日を惜しむなし
 葉をもるる夕日の光近づきて金木犀の散る花となる
 むらさきの彗星光る空ありと知りて帰るもゆたかならずや
 しばしばも形の移る雲見えてその雲の間の青ふかきいろ

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