私の好きな現代短歌(165)

喜ばず蔑まず見よ香煙を掌(て)に受けてその身いたはる姿   佐藤佐太郎
 喜んだり軽蔑したりしないでごらんなさい。老人がお寺の線香の煙を掌に受けて、それを自分の体にこすりつけている姿を。

 よくお寺で見る風景である。私などは「そんなことをしても効果はないだろう」と思いながら、微笑ましい気持ちで見ているが、佐太郎は、老いの現実を感情を交えず、ありのままに見よとい言いたいのだろう。
 わが死後の記念のために意識して幼子の頂なづることあり
 道のべの椅子にいこへばわが足に地(つち)より暑気ののぼる日盛り
 憩ひつつたまさか見ゆるその地(つち)にいたるまで木の葉ただよふ時間
 わが部屋にあまねく及ぶ秋暑あり心しづかにて居るところなし


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