生き長らえて、次々と友人の形見を着ている。今日は四人目で、君のメリヤスを着ているよ。
九十歳になった文明は、先輩はもちろん、自分より若い友人、知人をも次々と失ってゆく。長寿者の悲哀である。親しい人の遺族から、形見をいただく。昔は着物をいただくことが多かった。和服はサイズに融通が利くし、流行に左右されず、保存も利き、ほどいて仕立て直すことも出来るので、形見として価値があった。この歌がおもしろいのは、形見がメリヤスだということである。よほど親しい人だったのだろう、メリヤスの下着をいただいたのだ。メリヤスの下着は暖かいし、肌につけていると故人と心が通い合うような気がしただろう。
この記事へのコメント
長田ドーム
首藤
和服は結構、冬暖かいものですね。私も、一組だけ和服を持っています。