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かなしきは小樽の町よ/歌ふことなき人人の/声の荒さよ 石川啄木 小樽の町には哀しい思い出しかない。働くばかりで歌うことのない人々の荒々しい声よ。 今でこそ、小樽は観光都市として、文化の香りが漂う町だが、啄木がいたころは、石狩炭田の石炭の積出港、漁業基地として、本土で食い詰めた人々が出稼ぎや移住をする土地だった。文化よりは、金稼ぎ、重労働の町だった。町に響く音は、荒々しい労働者の怒鳴り声だった。啄木のような文弱の徒には、堪えられなかったことだろう。 この歌は、小樽の悪口を言っている歌ともとれるので、啄木の歌碑を建てるとき、この歌ははじめ嫌われたという話がある。新潟では、坂口安吾の記念碑を建てるとき、「ふるさとは語ることなし」では困るという意見があったという話を聞いた。 |
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